こんにちは! 編集のやえです。
近頃は、食育、知育、脳育、眠育・・・と、子ども達のさまざまな能力や資質を伸ばす教育が盛んに行われていますね。そんな中、今もっとも気になっているのが、子どもの視力を育てる「視育」です!
「目が悪くなるから暗い場所で本は読まないの!」「ゲームばっかりしていると目が悪くなるよ!」と、我が家でもよく子どもに言い聞かせていますが、【視力を育てる】という発想は今まで思いつきませんでした! 果たしてそんなことが可能なのでしょうか?
そこで今回は、眼科専門医として子どもの目の診療を得意とされる、大森海岸やまもと眼科内科 院長の山本先生に詳しくお話を伺ってまいりました!
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子どもの視力を育てられるって本当ですか?
やえ編集スタッフ 「先生、ご無沙汰しています! 今日は子どもの視力の育て方についてお話を伺いに来ました! 多くの親御さんが、子どもの目が悪くならないよう気をつけているかと思いますが、逆の発想で、子どもの視力を育てる方法もあるというのは本当なのでしょうか?」
山本先生 「はい、本当ですよ! 皆さん意外とご存知ないかと思いますが、じつは目の機能は8才までに完成するといわれていて、それまでにきちんと目を使える力を育てることが大切なんです。そもそも【物を見る】という行為は、①見たいものを認識して②そこにきちんとピントを合わせて目の奥にある網膜に像をむすび③その情報を脳に伝えて、ここで初めて【見る】ことができます。【視力を育てる】とは、目を使える力=つまり目のピントを合わせる調整力を高めるということ。生まれつき眼球の大きさが大きい(長い)お子さんは、網膜に上手く像が結べないため近視となりますが、そういった方でも日々トレーニングを繰り返して調整力を高めれば、視力を補うことも可能なのですよ。」
やえ編集スタッフ 「えぇ〜!?それは知りませんでした! てっきり視力は落ちる一方なのかと思っていました。子ども時代にトレーニングで目の調整力を高めることって、じつは大切なことだったのですね!」
山本先生 「現代社会では、生まれつき近視でなくても、生活習慣のせいで遠くが見えづらくなる仮性近視のお子さんも多くいらっしゃいますから、そんなお子さんには年齢関係なく、ぜひ目のトレーニングを取り入れていただきたいですね。トレーニングを続けることで、もともとの目のポテンシャルを引き出すことができますよ。」
具体的にどんなトレーニングをすれば良いですか?
やえ編集スタッフ 「それでは先生、視力を育てるために具体的にはどんなトレーニングをすれば良いのでしょうか?」
山本先生 「まず、物をしっかり見る訓練から始めましょう。じつは小さなお子さんは物を見るとき、大人のようにピントを合わせて見ていないことが多いのです。ピントを合わせてしっかり物を見る、ということがまだ分からないのですね。なので、「あの〇〇を見てごらん」という風に、対象物にピントを合わせる訓練から始めるとよいでしょう。また、目を休めるために遠くを見せるときも、「遠くを見て」ではなく、「あの建物の看板を見て」というように、目標物をはっきり指定してあげることも大切です。ほかにも、読書やゲームなど20分間近くを見る作業をしたら、その後は必ず1.5m以上離れた遠くの物を1分間しっかりと見る習慣をつけるとよいですね。そうすることで、遠くを見る筋肉と、近くを見る筋肉の両方が均等に使われます。」
子どもが楽しくトレーニングを続けられる工夫とは?
やえ編集スタッフ 「小さな子どもにトレーニングを続けさせるには、飽きさせない工夫が必要だと思うのですが、なにか良い方法はありますか?」
山本先生 「じつはこの度、お子様が楽しみながら取り組める視力トレーニングの絵本を監修させていただきました。迷路や間違え探しを取り入れたゲーム形式の絵本なのですが、眼球を動かす工夫をふんだんに取り入れています。」
やえ編集スタッフ 「とっても可愛らしい絵本ですね♪子ども達が大好きなキャラクターが載っているので、興味を持って積極的に取り組んでもらえそう!」
山本先生 「この絵本はトレーニングとしてご活用いただくのはもちろんなのですが、お子さんの弱視や色覚異常に気づくキッカケとなるようにも作っています。たとえば、最初のページに赤青緑のキャラクターを載せていますが、『赤いキャラクターはどれ?』とお子さんに聞いてみて、ある程度の年齢の子が見つけられないようであれば、赤色が見えにくい色覚異常の可能性も考えられます。弱視や色覚異常は、その子の将来の選択にも大きく関わってくるため、早期に発見して治療に繋げることがとても大切なんです。何度繰り返しても、上手く答えられなくて見えていない様子であれば、一度眼科にご相談することをお勧めします。この絵本が、大切なお子さんの目のトラブルを、いち早く発見できる助けになれたらと願っています。」
子どもの上手な眼科のかかり方とは?
やえ編集スタッフ 「ところで先生、どれくらいの年齢になれば眼科を受診して良いものなのでしょうか?眼科の患者さんはお年寄りばかりのイメージで、赤ちゃんや幼児の受診は気がひけてしまって。もし上手く検査ができなかったら、ご迷惑になるのではないかと、それも不安です。」
山本先生 「眼科の患者さんはたしかにお年寄りの方が多いかもしれませんね(笑)でも! 私のクリニックでは、目が開いてさえいれば赤ちゃんの視力検査も可能ですし、小さいお子さんの受診は大歓迎ですよ! たとえば弱視のお子さんであれば、できれば3才頃から治療やトレーニングを開始できるのがベスト。目の症状で気になることがあるのなら、診察や治療に早すぎるということは決してありません!」
やえ編集スタッフ 「子どもが受診するときの、かかり方のポイントなどあれば是非教えていただけますか?」
山本先生 「ひとくちに眼科といっても、先生のご専門は様々でしょうから、受診前に一度お電話で確認してみることをお勧めします! 『○才の子で、こうゆう状況なのですが、そちらで検査や治療はできますか?』と問い合わせてみてください。小児の治療に慣れている先生であれば、必ず受け入れてくれますし、専門性の違いや設備の問題などで診ることができない場合は、正直にお伝えするはずですから。大変な思いで子どもを連れて行って、診てもらえなかったときのガッカリ感といったら! 私も小さな子どもを持つ母なので、親御さんのそういった苦労はよく分かります(笑)医療側としても、せっかく来ていただいたのに、なにかの事情で診察できないとなっては心苦しいでしょうから、ぜひ受診前に問い合わせされるのがお互いにとっても良いと思います!」
やえ編集スタッフ 「なるほど! 今日は貴重なお話を沢山伺うことができました。先生、本当にどうもありがとうございました♪」
子どもの視力を育てたいママにおすすめの一冊!
ご取材の中でも登場した、山本先生が監修を務められた子どものための視力トレーニングドリルがこちら!! 子ども達が大好きなディズニーツムツムのキャラクターと一緒に、毎日楽しく視力トレーニングに挑戦してみてください♪