視機能になんらかの障害をもつお子さんは、じつは5人に1人はいるという医学的データがあります。
しかし、小さいお子さんを眼科に連れていく機会はなかなか少ないもの。「小学生になるまで、まさか眼が悪いなんて気づかなかった!」というケースも少なくありません。
今回は、子どもの弱視について、細部小児科クリニック院長の細部千晴先生に教えていただきました。
細部小児科クリニックさんの詳しい情報はコチラ
バイタリティ溢れる素敵なママ先生です!(細部小児科クリニック)|ゲンキのモトのお医者さん
Q:3歳児健診で目の検査はしていますが・・・
A:じつは、3歳児健診の際に自宅で行う簡単な視力検査で、弱視と診断される子どもの数はそう多くはありません。
隠れ弱視を見逃されたまま小学生になり、黒板の文字が見えにくかったり、教科書の字が見えづらくて音読が下手だったりと、小学校生活でなんらかのトラブルを経験して、はじめて眼科専門医を受診するケースがほとんどです。
Q:目が悪いと発達にどんな影響がありますか?
A:子どもにとって視力から得る情報はとても大切なものです。12歳までの学習能力は80%が視覚を通じたものだと言われています。
さらに覚えていて欲しいのが、子どもの弱視治療は、視力が急激に発達している幼児期の訓練が重要だということです。早ければ早いほど高い効果が期待でき、4歳以下で治療を開始できれば、95%の弱視は改善できます。そのため、できるだけ3〜4歳頃までに発見し、6歳頃まで訓練を続けることが理想です。
Q:早期に子どもの弱視を知るには、どんな方法がありますか?
A:最近では、生後6ヶ月から短時間にスクリーニング検査できる機械があります。写真撮影のように、カメラのレンズをじっと見つめるだけで完了する簡便な検査です。
当院でもこのスクリーニング機器を導入して以来、患者さんに早い段階で眼科専門医の受診を促せるようになりました。「遅すぎた・・・」となる前に、まずは眼のスクリーニングから気軽に検査してみましょう。
こんな症状があったら弱視かも?! チェックリスト
□ テレビは近くで見ないと見えにくそう
□ 顔をしかめたり、目を細めてものを見ている
□ 顔を傾けてものを見ている
□ お絵描きで丸を描かない
□ 上目遣いで見ることが多い
□ ひとりで階段を上がるときは手を使う