前編では、不妊で悩む女性のための漢方薬について、漢方薬剤師の結城先生にお聞きしました。後編では引き続き、鍼灸師の資格も持つ結城先生に、不眠や冷え性といった症状に効果的なお灸についてお話を伺いたいと思います。
お灸というと、あまり馴染みない方も多いかもしれませんが、最近は手軽なホームケアとしても女性を中心に人気を集めているそうです!自宅で過ごすことが多い今だからこそ、お灸でリラックスした毎日を過ごしてみませんか?
<教えていただいたのは!>
漢方コミュニケーションズ代表
結城 奈美枝先生
国際中医師(WFCMS)、薬剤師、鍼灸師、あんま指圧マッサージ師、AEAJアロマテラピーアドバイザー、心理カウンセラー
不眠は薬に頼る前にまずお灸!
結城先生
「今、体調で何か気になることはありますか?」
結城先生
「不眠は更年期障害でもよくある症状ですね。それでしたら、今日はお灸を試していってはいかがですか?不眠症状にはお灸がとてもよく効きますよ」
▲併設の鍼灸治療院には、鍼灸師の国家資格を持つスタッフさんが常駐しています!
ご取材を受けてくれた、(左から)齋藤先生、結城先生、松下先生。
結城先生
「我々鍼灸師が扱うのは、点灸というお灸なのですが、お灸をひねって小さな塊にして経穴(ツボ)に置き、そこに火をつけるんですね。すると、ピンポイントに熱刺激が伝わって、身体が火傷をしたと勘違いするんです。そして、修復のための免疫物質をわざと出させることで、免疫力や自然治癒力を上げる、というのがお灸の簡単な仕組みです。WHO(世界保健機関)は、不眠や冷え性をはじめとした43疾患に鍼灸治療の適応を認めているんですよ」
WHOが認めた鍼灸の適応疾患(一例)
・ 不眠 ・頭痛 ・自律神経失調庄 ・めまい ・胃腸病 ・更年期障害 ・生理痛 ・冷え性 ・のぼせ ・不妊症 ・貧血 ・疲れ目 ・気管支喘息
▲ プロの鍼灸師が使用する「点灸」。ヨモギを乾燥させて加工した「もぐさ」と呼ばれるお灸を使います。
▲ もぐさを米粒くらいの小さな塊にひねります。ピンポイントに熱刺激を与えるために、小くひねる必要があります。まさにプロの技!
▲お線香で点灸に火をつけます。火はすぐに消えてしまうので、火傷の心配はありません!
初心者でも簡単!自宅でお灸ケア
結城先生
「ホームケアでは、「せんねん灸」というお灸を使用します。治療院でしっかり治療を受けることも大切ですが、合わせてホームケアも行うとより効果的です。せんねん灸ならテクニックを必要とせずに、どなたでも簡単に取り入れられますよ」
▲ 色別にお灸の刺激の強さが異なるせんねん灸。緑はソフトな刺激で初心者向き。オレンジや黄色は刺激が強めです。
▲ 底面のシールを剥がしてから、ライターで火をつけてツボに置きます。
▲ 不眠解消の特効ツボと呼ばれる、かかとの真ん中の「失眠(しつみん)」にお灸を貼り付けます。
結城先生
「下半身の血行が良くなってきた証拠ですね。足が冷えると眠つきにくくなるので、ご自宅でも入浴後1時間ほど経ってから、両足をお灸でそれぞれ3分ずつ温めてください。血行が促進されることで、かかとのカサつきも取れてきますよ!」
まとめ
お灸のおかげか、取材が終わる頃には少し眠気を感じるまでに!お灸の凄さを実感できた取材となりました。不眠や冷え性で悩んでいる方は、ぜひ気軽にトライしてみてくださいね♪