東洋医学では、女性は7の倍数の年齢で身体が変化していくと考えられています。例えば、14歳で初潮を迎え、21歳で女性の身体が出来上がり、28歳で性的に最も充実し妊娠にベストな時期を迎え、35歳で衰えはじめるといった具合です。その一方、女性の社会進出が進んで出産年齢は年々上昇傾向となり、不妊に悩む方も増えています。
そこで今回は、漢方を使った妊活ケアで、多くの女性から支持される漢方薬剤師の結城先生に、妊活と漢方についてお話を伺いました。
<教えていただいたのは!>
漢方コミュニケーションズ代表
結城 奈美枝先生
国際中医師(WFCMS)、薬剤師、鍼灸師、あんま指圧マッサージ師、AEAJアロマテラピーアドバイザー、心理カウンセラー
35歳を過ぎてからの妊活は?
結城先生の漢方薬局では、妊活の相談に来られる患者さんも多いとお聞きしましたが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?
結城先生
「まず大切にしているのが、初診時のカウンセリングですね。漢方薬を処方するにあたり、その方の体調や体質だけなく、どんなことに悩み、どんなストレスを抱えているかまで、30分〜1時間ほどかけてじっくり問診しています」
結城先生
「はい。漢方薬で妊娠しやすい体へと整えながら、必要があれば、婦人科での検査や西洋医学的な治療も組み合わせて進めていきます。35歳は東洋医学では老化がはじまる年齢とされ、実際、それ以降は妊娠率も急激に下がるため、漢方薬治療と並行しながら、不妊治療クリニックでの体外受精も検討されるようお話します。そのほかにも、骨盤の歪みを整えると着床率も上がるため整体施術を取り入れたり、冷え改善として鍼灸の施術も合わせて行っていきます」
ところで、女性だけでなく、男性不妊にも漢方薬は良いのでしょうか?
結城先生
「もちろんです!むしろ、複雑な女性の身体よりも、毎日新しく精子を作り出す男性の方が即効性があるくらいです。不妊の約半数は男性側にも原因があるので、妊活中はご夫婦で漢方薬を試すのも良いかと思います」
出典:WHO発表資料(2010年)
結城先生
「特に、体外受精の精子採取日の5日前から男性も漢方を飲むと、精子の数や運動率に良い影響が現れるのでおすすめです。また、妊活中はつい女性が男性にプレッシャーをかけているケースも多いので、カウンセリングでゆっくりお話しを聞かせていただくだけでも、良い変化が現れることもありまよ」
漢方薬は妊活と健康長寿に特化した養生法
結城先生
「実は、漢方薬は古来から皇室が世継ぎを生むための秘薬として使われてきたという長い歴史があるんです。昔は大変貴重なものとされ、皇室しか使うことが許されていませんでした。庶民の間で使用されるようになったのは、江戸時代になってからと言われています。地位も名誉もある皇室が望むのは、『世継ぎ』と『長寿(アンチエイジング)』の二つだけ。その二つを叶えるのが漢方薬だったわけで、昔から漢方薬と妊活は切っても切れないものだったんですね」
ところで、漢方薬局で出される漢方薬とドラッグストアで買える漢方薬では、何か違いがあるのでしょうか?
結城先生
「コーヒーで例えるとしたら、漢方薬局はお一人お一人の好みに合わせたオリジナルブレンドを提供するコーヒー専門店。ドラッグストアなどで販売されているものは、一般的な好みに合わせたインスタントコーヒーというところでしょうか?」
結城先生
「あまり皆さんご存知ないかと思いますが、漢方薬には本来、上薬(じょうやく)、中薬(ちゅうやく)、下薬(げやく)という3種類があるんです」
漢方薬の種類
●上薬:未病(病気になる前の状態)を治すための漢方薬。長く飲み続けても害はない。
●中薬:体質改善のために飲む漢方薬。半年〜1年かけて処方する。体質に合わないと副作用が出る。
●下薬:即効性があるが、作用が強いため飲み続ければ害になることもある漢方薬。
結城先生
「基本的に病院などで病気の時に処方されているのは、即効性もあるけれど副作用もある【下薬】と呼ばれるものです。しかし漢方薬の真髄は、未病や体質を改善するための【上薬】と【中薬】にあるとされています。私の漢方薬局では、その方の体質や状態をよく把握した上で、上薬と中薬を混ぜて処方することが多いですね。漢方薬は自然界にもともと存在する植物などを原料としているため、原価が高いのがネックですが、ご自分に合ったものを長く飲み続けることで、西洋医学では対処しきれない、なんとなくの不調を改善できるのが最大の特徴といえるでしょう」
まとめ
長い歴史を持つ漢方薬は、女性の不妊や不調の強い味方ということがわかりました!
「体が元気になると心も引っ張られて、気持ちまで自然とイキイキとしてくる」という結城先生の言葉が印象的でした♪
「赤ちゃんが欲しいな」「病院では問題ないと言われているのに、なんとなく元気が出ないな」と感じる方は、ぜひ漢方という選択も考えてみてはいかがでしょうか?
チェック!
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