今回MRワクチン接種に取り組んだ企業は
サクラファインテックジャパン(株)さん
がん診断の要、「病理学的検査」で使われる検査機器の製造販売メーカー。
前身である薬種商は、創業1600年代の江戸初期まで遡るという歴史ある企業です。
医療現場に出入りする社員も多く、そのため感染症対策には企業全体で高い意識をもっています。
サクラファインテックジャパンさんでは継続して企業接種が実施されており、今回はその第2回目。全額会社負担で、MR、インフルエンザ、成人用肺炎球菌ワクチンの3種を雇用形態に関わらず希望する社員へ接種するとのこと。
2014年10月28日に行われた企業接種の様子を取材してきました!
社員さんの声
20代男性社員
子どものころ風疹にかかり免疫はあるのですが、自然感染では時間が経つほど免疫が弱くなると聞き、去年の大流行でやはりMRワクチンは一度しっかり打っておいた方が良いと接種することにしました。
インフルエンザも毎年打っていますが、病院に行かずに社内で打てるので、とても助かっています。
20代女性社員
エボラ出血熱など色々なところで病気が流行っているのを見て、自分で予防できることがあればしておきたいな、と思ったのが接種のきっかけです。
風疹は去年の流行ですこし気にはなりつつも、身近なところで予防接種できるとは知らず・・・
会社で打てることになりホッとしています。
サクラファインテックジャパン(株)
代表取締役社長 佐々木正尚さん
今日は、肺炎球菌とインフルエンザ、MRの3種類を打ちました。
インフルエンザの予防接種はここ7年受けているおかげか、かかったことはありませんね。
MRワクチンの接種は今年で2回目。
これは自分のためというより、周りの女性やこれから産まれてくる子どもたちのために接種しています。
【企業インタビュー】感染症対策は企業の社会的責任です!
企業接種実現に尽力し、他企業への啓蒙にも取り組まれている石塚悟会長にお話を伺いました!
サクラファインテックジャパン(株)
代表取締役会長 石塚悟さん
ワクチンは自分のために打つものではなく、社会のために打つものだと思っています。特に風しんは、例え私がかかっても少し休めば治ってしまうような病気です。
でも、もし通勤中の電車の中で隣に妊婦さんが座ったとしたら? その方を不幸な目に陥れることになるでしょう。
「自分ではなく、他人に対して危害を加えるのが感染症」という認識を持てば、企業がその対策に取り組むのは社会的責任と言えるのではないでしょうか。
ただし、予防接種を推奨する場合、会社が費用を負担するだけでは接種率は思うように伸びません。
社内で打つ機会を設けるなど、接種しやすい環境づくりからフォローしていくことが大切だと実感しています。
【ドクターインタビュー】医療機関側も企業接種に、より積極的な取り組みを!
ナビタスクリニック東中野
院長 濱木珠恵先生
接種を希望される方がいるのなら、それに応えるのは医師の義務。それが企業さんであっても同じことです。
企業接種を実施するにあたっては、保健所への申請手続きといった手間もありますが、風疹抗体がないのは現在働き盛りの世代。
企業に赴き、その方たちに効率的に打てるのであれば、多少の手間をかけてでも実施する価値はあると思うのです。
まだまだ当たり前にはなっていない企業接種ですが、実施する医療機関が増えればより広がりもみせるでしょう。
今回は、MRとインフルエンザの他、60歳以上の方では成人用肺炎球菌ワクチンの3種類を同時接種した方もいらっしゃいます。
大人の方では同時接種に馴染みない方が多いかもしれませんが、今の赤ちゃんの予防接種では同時接種は珍しいことではありません。企業での接種をより有意義に活用いただきたいですね。
取材を終えて
今回の取材では、20代から70代の方まで幅広い年代の方にインタビューさせていただきました。
そして感じたことは、若い世代は自身の健康や仕事のリスクを減らすために、年配世代の方は子どもたちや若い世代のために、と各年代それぞれの目的で予防接種に対して高い意識を持っているということでした。上層部の方たちが率先して動くことで社員全体の意識の底上げができていると感じます。
石塚会長さんが繰り返しお話された、「社会のために」「子どもたちのために」という言葉、企業接種を普及させたいという真摯な姿勢が印象的に残った取材でした。
こういった志の企業さんが日本にもっと増えることを祈りつつ、ゲンキのモトは取材を続けて参ります!
総務部の真鍋さんはじめ、サクラファインテックジャパンのみなさま、ご協力ありがとうございました!
(2014年10月取材)