子育て・ライフスタイル

「ダブルケアって知っていますか?〜子育て世代に増えている、子育てと介護の両立〜」

ダブルケアってご存知ですか? ダブルケアとは、子育てと介護が同時に行われていることを指す言葉です。また、子育てと介護に限らず、子育てと配偶者のケアや自分自身のケアなど、複数のケアを同時に行っている状態をいいます。
ダブルケアを行っている人は、全国に約25万人いると言われており、子育てが終わるまでにダブルケアを経験する人は3人に1人というデータがあります。平均年齢は男女ともに30〜40代が約8割を占めています。子育て世帯では、共働きの方、専業主婦の方と様々な背景があるかと思いますが、子育てや家事に関してはどうしても女性であるママに負担がいきやすい状況があるかと思います。その中で、子育てや介護が重なった場合に、少しでも生活の負担が軽減できるようにここでは一緒に考えていきたいと思います。

筆者の体験談

はじめまして、筆者の室津瞳です。今回書かせて頂く内容は私自身が、ダブルケアを体験し大変だったことや知っていると良かったと思ったことを皆さんにお伝えできればと記事を書かせて頂きました。私が、ダブルケアを経験した当時、3歳の長女の子育てとお腹には3ヶ月の長男を妊娠していました。介護をしていたのは実の父親と母親です。もともと父親は糖尿病をもっており、血糖値を下げるための薬を飲んでいましたが、突然血糖値が高い状態が続いたため検診を受けると膵臓癌と肺がんの末期ガンであることが分かりました。父親は、診断が出た当初自覚症状はなく、そのまま半年ほどは元気に過ごしていましたが、その後自宅で転ぶことが増えていきました。いよいよ介護が必要かなと思った矢先に、父親のお世話をしていた母親も突然、消化器の病気が見つかり入院して手術を行うことになりました。そこで、娘の私が父親の在宅介護と母親のお世話や医師からの病状説明を受けるために病院を往復することになりました。その後、父親は1ヶ月ほどの介護期間を経て穏やかに天寿を全うし、母親は現在、回復し元気に過ごしています。筆者の場合、夫や実の兄も介護に協力的でしたが、突然重なった介護は介護保険サービスの申し込みをはじめ、介護に必要な環境を整えるまでにそれなりの労力を要しました。

介護の始まりってどんなこと?

介護が必要な人の状態を早めに気づいてサポートすることができれば、その後元気に過ごせる時間が長くなることが期待できますので、早めに家族の変化に気づくことは大切です。例えば、いつもできていたことができなくなった時は要注意です。

以下の項目は、介護が必要になるかもしれないというサインの一例になります。

  • 女性の場合だと、料理ができなくなってきた。いつも作る料理と味付けが変わった。
  • 転ぶことが増えた。
  • 会話が噛み合わなくなってきた。
  • 精神的に不安定怒りやすくなってきた。
  • 落ち込みやすくなって鬱っぽくなってきた。
  • 時間や日にちや場所の感覚が分からなくなってきた。

介護が必要かも!?と思ったら!

1、地域包括支援センターに相談しましょう。

各自治体には、地域包括支援センターという介護に関する相談窓口があります。各自治体によって地域包括支援センターの名称は異なりますので、各自治体に確認して相談に行きましょう。地域包括支援センターでは、ご家庭での介護に関する困りごとを聞いてくれて、その上で必要があれば、実際に介護が受けられるように介護保険制度の手続き等について支援してくれます。

2、日頃から介護職や子育て支援のプロとつながっておこう。

各自治体では、子育て支援窓口と介護支援窓口が別に設置されている自治体が多く、大変ではありますが必要な情報を求めるならば、介護と子育ての両方の支援課を訪れる必要があります。それでも、いわゆる縦割りであるがゆえに、子育てと介護の両立に関する情報は得にくい状況があります。現状、残念ながらダブルケア専用の窓口を設置している自治体は少ない状況があります。
しかし、日頃から有能な介護職や保育士など子育て支援のプロとつながっておくことを意識されると、必要な時に介護と子育ての両立に関する情報が得られるかもしれません。例えば、介護と子育ての両方の視点を持ったケアマネージャーさんに出会えるとか、依然として数は少ないでしょうが、介護と育児を同時に支援してもらえるような民間のサービス(介護保険外サービス)の情報が得られればラッキーです。どれだけ、専門性の高い介護職や子育て支援のプロと繋がっておけるかで、ダブルケアや介護に関する生活環境は変わってきます。

3、介護をしている自分自身の時間や子どもとの時間も確保してリフレッシュしよう。

実際に、介護に関して中心になって動いてくれるのは、ケアマネージャーさんという介護サービスの計画を組み、必要なサービスを手配してくれる専門家になります。ここでは、子育てと介護を担っている人に負担がかからないように、ダブルケアの視点で介護の計画が組まれるような案を一例ですが挙げていきます。

  • 事前に分かっている子どもの年間行事(運動会、入学式、卒業式等)には、介護が休めるようにケアマネージャーさんに早めに相談し介護の計画を組んでもらいましょう。
  • ダブルケアをしている人が週1回、せめて半日だけでもフリーになる時間を確保してリフレッシュする時間を設けていただきたいです。夫も交えて、家族全員で考えていけるといいですね。
  • 例えば、高齢者がデイサービスを利用している場合、子どもの帰宅時間とデイサービスのお迎えの時間が被らないように時間を調整しましょう。

まとめ

子育てと介護の両立は、時間的にもタイトですし心身ともに負担がかかりやすいのですが、ママが頑張り過ぎてしまって、生活自体が立ち行かなくなっては大変です。介護も子育ても長い目で見ることが大切ですので、どうぞダブルケアに直面している方はお一人で頑張らずに、勇気を出してダブルケアの現状を周囲に話してみると良いかと思います。きっと、そうしていくことで周りの人が助けてくれると思います。

ダブルケアに関する調査2018 ソニー生命調べ
育児と介護のダブルケアの実態に関する調査 2016年4月 内閣府

 

室津瞳

室津瞳
ダブルケア研究家、ライター。介護福祉士、看護師として政策医療に従事し、現在は地域包括ケアシステムに関心をもつ。両親の介護と子育てを同時に行うダブルケアの経験から、問題意識を持ち、ダブルケアプロジェクトを発足。現在、NPO法人こだまの集い(申請中)代表。
介護情報サイト KAIGO LAB
http://kaigolab.com/author/user009
にて、ダブルケアについての情報発信を行っており、ダブルケアに関するコミュニティーを作ることを目指している。