今回MRワクチン接種に取り組んだ企業は
サクラファインテックジャパン(株)さん
医療における検査の中でも、最終診断を担う病理学的検査。そのための検査機器や試薬を製造販売されているメーカーです。2013年より職場での集団予防接種を実施し、今年で4年目を迎えます。
2013年の風疹の国内大規模流行をはじめ、デング熱、エボラ出血熱、ジカ熱、麻疹と国内外で次々と発生する感染症が日々ニュースを騒がせていますね。でも怖いと思っているばかりでは、防げないのが感染症です。
そんな中、職場の感染症対策として集団予防接種に取り組まれている企業さんのレポートをゲンキのモトでは度々取り上げてまいりました。
今回、新たな取り組み に挑戦されているとのことで、サクラファインテックジャパンさんの集団予防接種を再取材させていただくことに! 進化を続ける企業での感染症対策についてご報告いたします。
ワクチン接種レポート
社内の会議室に設けられた接種会場では、仕事の合間の5〜10分を利用して接種に訪れる社員の姿が。
今年、MMRワクチンを接種した18名を含め、108名が集団接種を利用しました。MRワクチンは毎年コンスタントに20名前後の方が接種を希望されているとのこと。
サクラファインテックジャパン 年度別実施状況
2013年 | 「MRワクチン」「インフルエンザワクチン」 |
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2014年 | 「MRワクチン」「インフルエンザワクチン」「成人用肺炎球菌ワクチン」 |
2015年 | 「MRワクチン」「インフルエンザワクチン」「成人用肺炎球菌ワクチン」 |
2016年 | 「MRワクチン」「インフルエンザワクチン」「成人用肺炎球菌ワクチン」「帯状疱疹ワクチン」 |
※帯状疱疹は自費、それ以外は全額会社負担。
企業インタビュー
職場での予防接種を他社に先駆けて取り入れられたサクラファインテックジャパン(株)代表取締役会長兼社長の石塚さんにお話を伺いました。
サクラファインテックジャパン(株)
代表取締役会長 石塚悟さん
「予防接種は社員の健康を守り、不安なく仕事に専念するために必要なものです。
とくに風疹に関しては、本人だけでなく通勤途中に接触するかもしれない妊婦さんやお腹の赤ちゃんを守るためにも予防接種が必要です。
社員への風疹予防は社会貢献の一環であり、医療機器会社としての義務でもあると考えています。
この度、東京都・東京商工会議所・東京都医師会の連携で展開される「職場で始める! 感染症対応力向上プロジェクト」に参加し、3コース中コースⅡまでを達成いたしました。
コースⅢの達成目標である「風疹抗体保有者が従業員の9割以上」という条件もあとわずかで達成する見込みです。(※2)
ぜひ多くの企業が職場での予防接種や感染症対応力向上プロジェクトに賛同し、導入されることを願っています。」
(※2)今回の予防接種(2016年10/26)で8割到達済み。
社員さんの声
30代女性
「今日はインフルエンザとMMRワクチンを打ちました。
今まで毎年インフルエンザの予防接種を受けていたわけではないのですが、社内で予防接種をするということで、それであればと接種を希望しました。
職場で就業時間内に打てるというだけで、予約や通院の煩わしさからも解放されて前向きに考えることができましたね。」
20代男性
「注射は苦手で今まで自ら進んで受けたことはないのですが、今回は総務部門からの薦めもあって接種を希望しました。
想像より痛くなく(笑)、これからは毎年受けようかと思います。
会社からの薦めが良いキッカケとなってくれました。」
ドクターインタビュー
医療法人社団鉄医会 理事長 久住英二先生
「職場で予防接種というと馴染みのない方が多いかもしれませんが、じつは『会社の巡回健診でインフルエンザワクチンを打つ』といったことは、以前から行われていました。
お勤めでなかなか医療機関に出向くことができない方には、時間的にも手間的にも格段にハードルは低くなるでしょう。
一方で、現在30〜40代の男性には風疹の抗体を持たない方が多く、今後も社会的な流行が繰り返される危険があります。
風疹は妊娠初期の妊婦さんに感染した場合、最悪、胎児に障害(先天性風疹症候群)を残す可能性があるため、流行が落ち着いた今こそ風疹予防を粛々と進めていく必要があります。
社員の皆様の健康管理としてはもちろん、風疹の感染拡大防止対策としても、職場での予防接種というより良い方法を多くの企業様に取り入れていただきたいと思います。」
(2016年11月取材)