こんにちは、編集のやえです!
今回は、がん研究会有明病院で開催された「がん患者さんのための妊孕性温存セミナー」についてご紹介したいと思います。
「妊孕性」とは
皆さん「妊孕性」という言葉をご存知ですか?ちょっと聞き慣れない言葉ですよね?
妊孕性とは、「妊娠しやすいさ」「妊娠するちから」のこと。
昔は不治の病の代表であった“がん”ですが、医療の進歩により、がんを克服できるケースがかなり増えてきました。そのため、これから目を向けなくてはならないのが、がんを克服した先にある患者さんの人生と言われています。
そこで注目されるのが、この「妊孕性」という課題です。
がん治療と妊孕性温存
もし、がん治療の影響で将来子どもをもつことが難しいと予測されるような場合、不妊治療技術を応用し、がん治療前に卵子や精子を摘出して保存(妊孕性温存)することで、将来の妊娠出産の可能性を広げることができるのです。
セミナーでは、卵子を凍結保存し体外受精で妊娠する方法だけでなく、より多くの卵子を採取できる卵巣組織を摘出して凍結保存し、がん治療後に卵巣に戻すことで自然妊娠までも可能になる、というお話を聞き大変驚きました。
妊孕性の温存治療は、がん治療とのタイミングやスピードがとても重要となります。不幸にも若くしてがんと分かった方には、治療前にいち早く検討していただきたいことなのです。
まだまだ世間の周知が進んでいない、がん患者さんの妊孕性温存治療。今回のようなセミナー等をきっかけに、「がんになったとしても、将来子どもをもつことはできる」のだと、より多くの方に知っていただければと思います。
日本の妊孕性温存の最年少は、5才の女の子のケース。この治療が、がんを乗り越えた先の多くの生きる希望になることを願っています。