歯の矯正は子どもがやるもの?
いいえ、最近では大人になってから矯正をはじめる女性が増えているのをご存知でしょうか?かくいう私もその一人!
そこで、30歳を過ぎてから歯科矯正をスタートした私が、矯正中に感じたことやクリニック選びのコツなどをレポートしたいと思います!
歯科矯正を考えたキッカケ
じつは私、左上の大人の歯が1本だけ生えてこなかったんです。
大人になっても、その歯だけずっと乳歯のままでした。そして25歳のある日、わずかな支えで生えていた乳歯も、鶏手羽にかぶりついた瞬間にとうとう根元からポッキリ折れてしまい、それから10年近く歯が1本ない状態で生きてきました(汗)
のちに矯正の先生に聞いたところ、永久歯の元になる「歯胚」が生まれつきない「先天性欠損」の人は10人に1人の確率でいるそうです。私だけかと思っていましたが、大人の歯が生えてこないケースは、わりとよくあることだったのですね。
さて、時間が経つにつれて『歯がたった1本ない』せいで、以下のようなトラブルを抱えることになってしまいました!
①抜けた歯の隙間に他の歯が寄ってきて、全体的に隙っ歯な状態に!
↓
②そのせいで、どんどん歯に食べ物が詰まりやすく!
▲治療前の私の歯並び。前歯をはじめ、全体的に歯と歯のあいだの隙間が目立ちます。
審美的にも機能的にも問題を抱えたことで、30歳を過ぎて真剣に矯正を考えるキッカケになりました。
私が受けたのはこんな治療
そんなとき、運良く歯科矯正専門クリニックの取材に伺う機会があったのです!
取材で院長先生の治療に対する姿勢や考え方をお聞きするうちに、「ぜひ先生に治療をお願いしたい!」と心が決まり、こちらで矯正治療を受けることに。
矯正を始めるにあたってまず行うのが、レントゲン撮影や噛み合わせのチェックなどの精密検査と、治療方針を決めるためのカウンセリングです。
カウンセリングでは、歯のレントゲン写真などを見ながら、これから受ける治療のメリット、デメリットなどを詳しく説明していただきました。
- ①左上(写真では右上)の「先天性欠損」で、歯が1本足りない状態である
- ②上記の歯に伴って、ペアである下の歯がねじれて生えてしまっている
- ③上の前歯両脇にある歯が、通常の大きさより細い「栓状歯」である
カウンセリングのときは、気になったことをきちんと質問しておくことも大切です!
口元が出ているのがコンプレックスだったので、淡い期待をもって「矯正したら口元も引っ込みますか?」と先生に質問してみました!
すると、「レントゲンで骨の様子を確認したところ、完全に口元が引っ込むのは難しいと思います。上下左右の歯を4本抜いて引っ込めることもできますが、年齢を重ねたときにシワが寄って老けた印象になる可能性も。将来のことも考えると、歯を抜かない治療プランをお勧めしたいです」とのこと。
あえて治療の限界やお勧めできない理由を伝えてもらったことで、迷いがなくなり、納得したうえで歯を抜かない治療プランに決めることができました!
診断結果は、あくまでも筆者の骨格や歯列を見た上での診断です。人によっては、歯を抜いた場合のほうがよいケースもあるため、治療方針は主治医の先生とよくご相談ください。
みんなが気になる矯正の痛み! やっぱり痛い?
さて、矯正を躊躇する理由の多くは、「矯正時の痛み」ではないでしょうか?
個人的な感想になりますが、そこのところも詳しく書かせていただきますね!
私の場合、最初から全ての歯にワイヤーをかけるのではなく、まず欠損した左上の歯の周辺5本にワイヤーをかけることからスタートしました。
はじめてワイヤーを装着した日はあまりに痛くて、自動販売機で買った缶入りコーンスープのコーン粒が噛めなかったのを覚えています(笑)
噛まなければそこまでの激痛ではないのですが、噛むとすっごい痛い! 初日はそんな感じでした(汗)
ただ、早くも翌日には痛みが徐々に弱まり、硬い食べ物でなければいつも通りの食事を摂ることができました。また、必要であれば通院時に痛み止めの薬をもらうこともできます!
それに矯正が進むにつれて、痛みを感じる機会はどんどん減っていくので、矯正中は毎日ずっと強い痛みを我慢し続けるわけではありません!
矯正の痛みが不安という方も、どうぞ安心してくださいね♪
矯正治療全記録 ビフォー&アフター
まずは、歯並びのビフォーアフター写真をご覧ください!!
口腔内の写真です。苦手な方はスルーください。
■矯正治療前
▲写真右上の歯が1本欠損しています。上前歯の隙間が広く、前歯両脇の歯が細いため不揃い感があります。
■矯正治療後
▲欠損した隙間の奥に位置していた4本の歯を、すべて前方へ移動させ、歯の隙間を埋めました。上前歯両脇にあった細い歯は、セラミックで理想的な形へ整形しています。写真にはありませんが、下顎のねじれた歯も正しい向きに矯正されました。
わたしの場合、左上の奥歯4本を動かすために、「矯正用インプラント」と呼ばれる装置を使用しました。
上顎にインプラント(ネジのようなもの)を1本埋め込み、インプラントと動かしたい歯をワイヤーで繋げることで、より強い力をかけて歯を移動させることができます。
矯正用インプラントは治療が完了したら抜きますが、写真を見てわかる通り、傷跡も残らず綺麗に治っています!装着時も部分麻酔をするため、ウズウズとした鈍い痛みだけで、激しく痛むことはありません。
歯を動かす治療自体は約2年、ワイヤーをはずした後に歯が元の位置に戻らないよう保定するための期間が約1年ありました。
1〜2ヶ月に一回の頻度で通院しますが、保定期間の終わりのほうは3〜6ヶ月に1回程度と通院の頻度も少なくなります。
保定期間は、動かした歯が元に戻らないよう「リテーナー」と呼ばれる透明のマウスピースをはめて過ごす期間です。透明なため、リテーナーをはめているかどうかは、他の人にはまったく気づかれないと思います。
ただし、ワイヤー装着中はそのままでも飲食できますが、リテーナーは飲食のたびに外す必要があります。慣れてしまうと、ズボラなわたしにとっては、24時間つけっぱなしで紛失する心配もなかったワイヤー装着期間のほうがラクだった気がします(笑)
▲歯の移動が完了したあとに装着するリテーナー
先生曰く、このリテーナーの保定期間が大変重要とのこと。ここでサボってしまうと、せっかく整列した歯が元の位置に戻ってしまうそうなのです!
しかも、リテーナーは保定期間が過ぎてからも、最低2日に一度は就寝中に装着する必要があります。
まとめ 矯正をやって良かった点! 悪かった点!
矯正をして良かったのは、なんといっても気になっていた隙っ歯が治り、口元の印象が格段に良くなった点です!!
約3年という治療期間も、過ぎてしまえば本当にわずかな時間でした。
費用は決して安いとは言えません(都度払い不要のトータルフィーで85万円ほど)が、お金をかける価値は十分あったと思っています。
ほかにも、治療前のカウンセリング段階で、治療方針にきちんと納得をしてはじめられたのは重要なポイントでした。
じつは、20歳のときにも一度矯正を考えて、別の歯科医院でカウンセリングを受けた経験があるのですが、提案された治療方針に疑問が残り、結局治療には至りませんでした。
矯正をして「こんなはずじゃなかった!」「そんな話聞いていない」などのトラブルは、クリニック側とのコミュニケーション不足が原因である場合がほとんどだと思います。後悔しないためにも、治療前のカウンセリングでとことん疑問や質問を先生にぶつけて、十分納得したうえで治療に臨むべきだと思います!
また、歯科のなかでも矯正を専門に扱っている経験値の高いクリニックを選ぶことも大切だと感じました。
- 自分と相性のよい、些細なことも気軽に相談できる歯科医の先生を見つけること
- カウンセリング段階で、歯や口元の気になる箇所や自分の希望をできるだけ詳しく伝えること
- 提案された治療方針に納得できない場合は、別のクリニックでもカウンセリングを受けてみること
- 矯正であれば矯正、インプラントであればインプラント。専門分野に特化した経験値の高いクリニックを選ぶこと
このレポートが、矯正を考える方の参考になりましたら幸いです!
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