キラキラと輝いた生活になるはずだったマタニティライフ。出産前に主人とデートもしたいし、思い出づくりに旅行にも行きたいし、写真館でマタニティフォトも撮って貰いたいな―――。
そんな希望を抱いていたのに、ある日突然「切迫早産」と診断されたら?
描いていた理想の生活が急に崩れ去って、これからどうなるのだろう、赤ちゃんは無事に育つんだろうか…?そんな不安な気持ちに心が支配されてしまいますよね。
この記事では、実際に過去3回の切迫早産を経験し、現在も入院療養中である筆者が、「切迫早産の安静生活がどのようなものか」「不安な気持ちに負けないための過ごし方のコツ」についてお話させていただけたらと思います。
切迫早産の安静生活って、どんな感じ?
切迫早産というのは、文字通り「早産が差し迫っている状態」のこと。
何らかの原因でお産の時まで閉じていなければならない内子宮口が開いてしまったり、子宮頸管が短くなったりしてしまうなど、診断される基準は妊婦さんによって、またかかりつけのお医者様によっても様々です。お腹の張りを止めるお薬を内服しながら自宅で安静に過ごす方もいれば、点滴をつけて入院生活をおくる方もいらっしゃいます。
お腹が張らないよう、身体に負担をかけないように過ごさなければならないため、立つよりも座る・座るよりも寝て過ごす事が推奨されます。基本はトイレと食事以外は寝たきりで過ごすよう指導される方がほとんどです。
「寝て過ごせばいいなら楽なものね」と周囲からは思われがちですが、実際にはなかなか大変です。
ゴロゴロ寝て過ごせる幸せは、たまの休日で自分も自由に動けるからこそ実感出来るもの。お風呂にも入れず、動くことも出来ず、ただひたすらに天井を見つめて24時間過ごすのは、経験してみるとかなりの苦痛を伴います。
部屋にホコリが溜まっても、洗濯物が山積みになっても何も出来ないもどかしさ。張りどめの薬の副作用のキツさ。上の子と満足に遊んでやれない後ろめたさなど、経験してみて初めてわかる苦労も沢山ありました。
さらに入院が必要な状態となると、家族からも離れてひとり孤独に耐え続けなければなりません。それが臨月まで続く訳ですから、不安に押し潰されて弱音を吐いてしまっても、何も恥ずかしい事ではないんですよ。
切迫早産の不安に負けないための過ごし方のコツ
「それでも、安静生活の期間を無駄にせず、少しでも前向きに過ごしたい」そう願うなら、皆さんにオススメしたい事が2つあります。それは、
- SNSを活用する
- 時間を忘れて没頭出来る趣味を探す
の2点です。順番にご紹介しますね。
SNSを活用してみよう
切迫早産安静中の妊婦さんには、この機会に積極的にSNSを活用してみることをぜひオススメします。特に文章だけで匿名でやり取りのできるTwitterは、外出出来ない安静中の妊婦さんともとても相性の良いツールです。
安静生活の大変さは、やはり実際に経験してみないとなかなかうまく伝わりません。けれど、Twitter上には同じように今切現在迫早産と闘っている方が沢山います。同じような状況の方をフォローする事で、お互いに励まし合えて、ストレスを胸の内に秘めて溜め込むのを防ぐ事が出来ます。
切迫安静中に知り合ったフォロワーさんとは出産後も赤ちゃんの月齢が近いため、引き続き育児の情報交換も行えますよ。
「Twitterなんて使ったことないわ」という方も、この機会に登録してみると、また新たな輪が広がるかもしれませんね。
没頭出来る趣味を見つけてみよう
ふたつめにオススメしたいのは、身体に負担のかからない範囲で何か時間を忘れて没頭出来る趣味を見つける事。時が経つのも忘れるほど夢中になれるものを見つければ、切迫安静中の辛い気持ちをうまく紛らわせる事が出来ますよ。
私の場合は、前回の切迫早産入院時にはかぎ針編みをしていました。期間が長かったので、全くの初心者であったにも関わらずこたつカバーを編み上げる事が出来、自信に繋がったのを覚えています。
また、今回は切迫早産の経験を活かして少しでも誰かの役に立てたらという思いから、ブログを立ち上げてスマホから更新しています。そのご縁から今回このように記事を寄稿させていただく事も出来、新たな出会いに感謝の気持ちでいっぱいです。
他にも、「気になっていた長編小説を読んでみる」「ユニット折り紙に挑戦する」「スマホに溜まった写真をフォトブックにしてみる」「赤ちゃんの小物を手作りする」など、寝たままでも楽しめる趣味って探してみると結構沢山あるんですよ。
切迫早産の時期に身につけた趣味や人脈は、出産後も自分の財産として確実に手元に残ります。もしかしたらそれが今後の人生の大きな転機にも繋がるかもしれません。
後から振り返った時に「大変だったけど、貴重な体験だったな」と思えるように、ぜひ身体に負担のない範囲で取り組んでみてはいかがでしょうか?
(ただし、安静度合いによっては、手を動かすことやスマホを見ることも禁止される場合があります。何か始める時には必ずかかりつけの医師に安静度合いを確認してからにしてくださいね。)
さいごに
切迫早産は、誰もがなるものではありません。ご家族や友人が経過順調だった場合、安静生活に理解を得られずもどかしい思いをされる事もあるでしょう。
とても辛い。でもだからといって、毎日暗い気持ちで過ごしていては、せっかくの貴重な妊娠生活が勿体ないものになってしまいます。
赤ちゃんと二人三脚で過ごせる貴重なこの期間、ぜひひとつでもいいから前向きになれる事を見つけてみてください。そうすれば、きっと出産後も新たな気持ちで育児に取り組んで行くことが出来ますよ。
すべての切迫早産に悩む妊婦さんが、今日も1日明るい気持ちで過ごせますように。