長引く便秘や突然の下痢で辛い経験をされたことはありませんか?
今回は、新たに石心会グループとなった、さいわい鶴見病院の看護科長 新島桂奈子さんに、多くの方が悩まれているおなかのトラブルケアについてお聞きしました。
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Q:そもそも理想的なお通じの条件とは?
A:茶色でバナナ状のお通じで、なおかつ排便時のスッキリ感も大切です。
お通じの状態は健康のバロメーターです。色や形状は、食べた物で多少の違いも出るため、そこまで神経質にこだわらなくても大丈夫です。
ただし、細菌感染すると緑色がかった便に、痔や大腸ガン等の出血があれば赤が混ざる場合もあるので、おかしいと感じたときは早めに医療機関を受診しましょう。
また、意外にも、「毎日出ているか」や「便の量」はそこまで気にしなくてもOK! 少食の方であれば、もちろん便の量も少なく、量が少なければ毎日出ないのも当然のこと。毎日出なくても、排便時のスッキリ感があれば健康なお通じと思ってください。
Q:便秘を改善する方法を教えて!
A:腸の動きを促すために、軽めの運動を習慣化しましょう
腸の動き(ぜん動運動)は体内の筋肉量と関係があります。特に女性はもともとの筋肉量が少ないため腸の動きも鈍りやすく、便秘の方が多い傾向にあります。そのためウォーキングなどの軽めの運動で体を動かすことは便秘対策にも大変有効です。
また、便秘のたびに自己判断で下剤を大量に飲んでいる方は、逆に便秘が悪化するケースもあるので注意してください!
他にも、決まった時間にトイレに行かないことや、20〜30分もトイレにこもることもNGです。
「出そうで出ない」感覚があると、ついトイレに長居しがちですが、実はこれ、便意ではなく直腸が下がってきている感覚。痔の原因となるので、トイレに座ってしばらく経っても出ない場合は諦めて仕切り直しを!
さらに、ストレスで緊張が続くときも便秘になりやすいため、リラックスする時間が大切です。お腹を「の」の字にマッサージしたり、足裏の土踏まずをツボ押しするのも便秘解消にオススメですよ!
Q:下痢にならないために出来ることは?
A:暴飲暴食を控え、体を冷やさない工夫をしましょう!
下痢の原因は、感染や中毒による場合もありますが、暴飲暴食や冷え、ストレスからくるものがほとんどです。
冷えが原因の下痢であれば、大人であってもぜひオススメなのが腹巻き! おへその下辺りを触ってみて他よりもヒンヤリしていたら、体が冷えている証拠です。冷え性の方は夏でも綿100%の腹巻きをするなど、体を冷やさない工夫をしてみましょう。
また、食物繊維は快便のためにも積極的に摂ってほしい大切な栄養素です。ただし腸はとてもデリケート。食物繊維を沢山摂ろうと張り切りすぎて、ワカメの食べ過ぎで消化不良や腸閉塞に、ゴボウを毎日大量摂取してやはり腸閉塞になったというエピソードもありますので、どんなものでも食べ過ぎにはご注意くださいね。
食物繊維は「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、その特徴は以下のとおり。上手に毎日の食事に取り入れてみてください。
有害物質や不要物質を体外に排出する働きがある。便を柔らかくする。
果物、海草類に多く含まれる。
水分を吸収し膨張して、便のカサを増やす働きがある。腸のぜん動運動を促す。
野菜(根菜類)、穀物、豆類に多く含まれる。
おなかのトラブルを解消する5つのポイント
- 冷え性なら夏でも腹巻き!
- 毎日同じ時間にトイレに行く!
- 軽い運動で便秘解消!
- 長時間トイレにこもらない!
- 暴飲暴食、ストレスはNG!
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今回のコラムは、2017年2月16日に開催された「さいわい鶴見健康塾 他人に聞けない便の話」の取材を基にしています。