健康

「かわさき健康塾 肩こり・腰痛・ひざ痛撃退フォーラム」取材レポート(後編)

2018年4月12日にミューザ川崎シンフォニーホールで開催された、肩こり・腰痛・ひざ痛撃退フォーラムを取材させていただきました。今回は、その後編をお伝えいたします。

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後編では、理学療法士の武本さん、星野さん、作業療法士の升谷さんが、それぞれ肩こり、腰痛、ひざ痛改善のためのストレッチと体操をレクチャーしてくださいました!

あっすごい!効果テキメン!最新肩こりストレッチ

まずは、川崎クリニック 理学療法士の武本さんによる、肩こり改善ストレッチについて。

「肩こり改善ストレッチ」の方法を説明した写真

なぜ肩が凝るのか?

武本さんがまず教えてくださったのは、なぜ人はこんなにも肩が凝るのか?について。
複雑な人間関係に気をつかいすぎて・・・なんて理由では、もちろんありません! じつは、その原因は「頭」の重さにあるというのです。
頭部の重さは、なんと体重の約1/10。そんな重〜い頭部を支えている肩には、常に大きな負担がかかっています。そこに姿勢の悪さが加わると、肩にはさらなる負担が加わり、肩こりになってしまうそうです。

座っているとき、こんな風に背もたれに寄りかかって、床から足が浮いた状態になってはいませんか?これでは自然と頭が下を向くため、肩への負担がかかりやすくなります。勉強や読書、パソコン・スマホを操作しているとき、ついこのような姿勢を取りがちですよね。

肩に負担がかかる姿勢の図(座っている場合)

続いては、立っているとき
背中が丸まり、視線は下に、壁に背中をつけても頭がつかない姿勢になってはいないでしょうか?意外と皆さん気づいていませんが、料理や掃除をするときは下を向き続けることになるため、じつは肩に負担がかかりやすい体勢なのだと、武本さんは指摘します。

肩に負担がかかる姿勢の図(立っている場合)

このような姿勢を続けていると、もちろん肩こりの原因になってしまいます。
また、いつも片方の肩ばかりに鞄をかけたり、重いリュックサックを長時間背負うことも肩こりの要因に。枕の高さが合っていないのも注意が必要だそうです。
私たちの生活のあちらこちらに、じつは肩こりになるさまざまな原因があったのですね!

肩こり改善ストレッチ

そこで少しでも肩こりの辛さを改善するために、武本さんが教えてくださった、肩こり改善ストレッチを少しご紹介させていただきます。

「肩の上げ下げ」体操

まずは、簡単にいつでもできる「肩の上げ下げ」体操です。

「肩の上げ下げ」体操のやり方の説明写真

背中の肩甲骨を意識して、肩の上げ下ろしを数回繰り返します。
ポイントは、下げるときにストンと下ろさず、ゆっくり静かに下ろすことです。

「胸ひらき」のストレッチ

二つ目は、「胸ひらき」のストレッチです。

「胸ひらき」ストレッチのやり方の方法と説明写真
「胸ひらき」ストレッチのやり方の説明写真

  1. 椅子に座り、両手を横に下げ、肩の力を抜きます。
  2. 椅子の掴める場所を軽くつかみます。
  3. 腰が反らないように肩甲骨を寄せます。
  4. 顔を斜め上に向け、深呼吸します。

胸を開いて肩甲骨を動がすことで、肩がすっきり軽くなります! リフレッシュにピッタリのストレッチです。

前ならえの運動

三つ目は、「前ならえの運動」です。

「前ならえの運動」のやり方の説明写真

身体の横で腕を90°曲げて、肘を前後に動かします。このとき、背中の肩甲骨が動くのを意識すると良いそうです。

いかがでしょうか?どれも簡単ですが、一通り行うと肩がスッキリするのが分かりますよ!

カンタン腰痛予防!家庭でできる腰痛体操

つづいては、蒲田リハビリテーション病院 作業療法士の升谷さんによる、腰痛体操についてのご講演をご紹介いたします。腰痛持ちの私としては、ついつい耳をダンボにして聞いてしまいました(笑)

腰痛体操について講演している様子

腰痛の原因

最初に升谷さんがお話してくださった衝撃の事実! なんと腰痛持ちの方の約85%は原因不明なのだそうです!!

「腰痛の原因」の解説とイラスト

ただし、ひとついえることは、肩こり同様、悪い姿勢が腰痛を悪化させるのは間違いありません。背中が曲がった猫背は、顔が前につきでて、背中や腰に負担がかかりやすい姿勢だとお話してくださいました。

そして腰痛予防のポイントは、「腹横筋」という筋肉を鍛えることだというのです! 腹横筋は天然のコルセットともいわれており、腹横筋を鍛えることで、背筋がまっすぐ支えられ、腰への負担を軽減させることができるそう。

「腹横筋」は天然のコルセット

腹横筋を鍛える体操

それでは、さっそく腹横筋を鍛える体操を教えていただきました!

「腹横筋を鍛える体操」のやり方の説明写真
  1. 椅子に座り、背筋を伸ばします。腰が反らないよう注意しましょう。
  2. 下腹に手を当てて、息を吐きながらゆっくりお腹を凹ましていきます。
  3. お腹を凹ました状態で10秒間キープします。呼吸を止める必要はありません。
  4. ゆっくりお腹を元に戻します。

「10秒やったら10秒休む」を1回とカウントして、1日3〜5回程度から始めましょう。

ひざ痛予防!ひざに効く!膝・足指体操

最後に、同じく蒲田リハビリテーション病院の理学療法士・横山さんによる、ひざ痛予防のための体操をご紹介させていただきます。

ひざ痛の原因

横山さんによると、じつは私たちの膝は、歩いたり、階段を下るだけでも体重以上の負担がのしかかっているというのです。普通に歩くだけでも体重の2.8倍、速歩で体重の4.4倍、階段下りでなんと体重の4.9倍という驚きの負担が膝にかかるそうです! 軟骨が変形して痛みがでやすい関節というのも、納得ですね。

膝関節への負担の説明と図解

ほかにも、肥満や急激な体重増加、O脚、運動不足による筋力の低下、しゃがむ・正座といった動作の多い和式の生活習慣なども、ひざ痛の原因として挙げられています。

ひざ痛予防におすすめの体操

そこで、ひざ痛予防におすすめの体操を、横山さんに教えていただきました!

膝で枕を挟む体操

まずは、膝で枕を挟む体操です。

「膝で枕を挟む体操」のやり方の説明写真

ベッドや椅子に腰掛けた状態で枕を内腿で挟み、ギュッと力を入れて落とさないように10秒間キープします。これを10回繰り返します。膝周りを支える筋肉を鍛えることができます。

つま先とかかとの上げ下ろし運動

さらに、膝の負担を軽減させるためには、足指と足首を鍛えて安定させることも大切なのだそうです!

足首の運動には、つま先とかかとの上げ下ろし運動が効果的です。

「つま先とかかとの上げ下ろし運動」のやり方の説明写真
  1. つま先を床につけてかかとを上げる。
  2. かかとを一度下ろす。
  3. 今度は、かかとを床につけてつま先を上げる。

つま先上げ、かかと上げをリズムよく各10回ずつ繰り返してください。

足指の体操

つづいては、足指の体操です。

「足指の体操」のやり方の説明写真。タオルを足指を使って巻き込むように掴む(左右各10回)

裸足になり、床に広げたタオルを足指を使って巻き込むように掴んでいきます。普段なかなか行わない動作なので、これが意外と難しい!
足指を鍛えて地面をしっかり踏みしめることで、正しい姿勢が維持され、膝への負担を軽くすることができるそうです。

足指体操は、ひざ痛以外にも、むくみや冷え性の改善、外反母趾予防、転倒予防など良いことばかり! ぜひ試してみてくださいね。

いずれのストレッチ、体操も、身体に強い痛みがあるときや、動かして痛みが強くなったときは、無理して行わないことが鉄則です。
また、大切なのは毎日継続して行うことです。そこでおすすめなのが、「ながら体操」です。テレビを見ているときや、お風呂に入っているときに、ぜひ取り入れてみてください。

今回ご紹介したほかにも、セミナーでは沢山のストレッチや体操を教えていただき、大充実の内容でした!!
日頃、運動習慣のない方でも簡単にできる体操ばかり♪ 関節痛は酷くなると、生活にも支障をきたすことにもなりかねません。日々のちょっとした心掛けで、痛みに悩むことなく、毎日を気持ちよく過ごせていけたらと思いました。

予約不要の無料健康セミナー「かわさき健康塾」は、さまざまなテーマで毎月開催しています。ご興味がある方は、ぜひお気軽に足を運んでみてくださいね。
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