こどもの「おしゃれ障害」について、岡村皮フ科医院 皮膚科医 岡村理栄子先生にお聞きしました。
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気配りを大切にされる医院さん!明るく元気をもらえる先生です!(岡村皮フ科医院)|ゲンキのモトのお医者さん
Q:おしゃれ障害ってなに?
A:誤ったおしゃれによる肌や体のトラブルのことです!
こども達の過度の、そして誤ったおしゃれが体に悪い影響を与えることを「おしゃれ障害」と呼んでいます。
メイク、ヘアカラー、ピアスなどのおしゃれの低年齢化が進む現代において、今後ますます身近な障害となってくるでしょう。
おしゃれは使いこなせなければ危険が伴うもの。自己判断、自己管理ができる年齢になるまで待つことが大切です。
Q:どうして大人は良くて、こどもはダメなの?
A:肌が発達途中でとてもデリケートだからです!
もう体が完成している大人と違い、こどもの体は発達途中。肌ひとつとっても、角層が薄く水分も少ないため、かぶれやすいのが特徴です。
特に、アレルギー性接触皮膚炎は『獲得免疫』といって、一度かぶれると一生かぶれることに!
日々成長し、まわりにあるものを何でも吸収していくこども時代は、メイク用品やアクセサリーなどに十分注意する必要があります。
- ファンデーション、口紅 → コバルト、ニッケル
- チーク、アイシャドウ → 色素、金属
- ヘアカラー → ジアミン系色素
すこやかな肌や体の成長の妨げとなってしまいます。
おしゃれとはその人を一番きれいに見せること!
その基本は「清潔さ」と「すこやかさ」
華美なメイクアップではなく、低刺激のアイテムでスキンケアをするなど、すこやかな肌を育てることを心がけてあげましょう。
こどもによくみるおしゃれ障害【ワーストランキング】
【ワースト1】ヘアカラーブリーチ
ママのヘアカラーのあまりを使い、こどもの髪を染めてしまうケースが多いよう。就学前のこども達によくみられます。毛髪へのダメージはもちろんのこと、ヘアカラーによる肌のアレルギーが問題となっています。
ヘアカラーのアレルギーになると、頭皮のかぶれや痒み、ジクジクしたり皮がむけるといったトラブルに。
最初はならなくても使い続けているうちに突然発症し、一度なったらアレルギーは一生治りません。髪を染めるなんてもってのほか!頭髪の清潔さを保つことに気を配りましょう。
【ワースト2】色つき・香りつきリップクリーム
女の子がはじめて手に取る化粧品といえば、色つき・香りつきリップではないでしょうか。「保湿は大事」とばかり、ママ達もこどもの欲しがるまま安易に買い与えていませんか?
買い求めやすい価格帯のこども用リップですが、安価=「色や香りにコストをかけていない」ということ。
時として香料や着色料が、かぶれや水泡、色素沈着といったトラブルを起こすこともあります!
【ワースト3】マニキュア
最近は爪にシールを貼ってマニキュア気分を味わえるキットも出ているよう。
カラーマニキュア以外でも透明ベースコート、除光液、甘皮処理は爪を傷める原因に!シールの貼りっぱなしも不衛生です!
マニキュアや除光液の繰り返しは爪を乾燥させボロボロに! 爪は一度傷むと修復することができません。
もともとピンク色のこどもの爪は、そのままで十分美しいもの。こどもに本当に必要なのはマニキュアではなく、保湿ですよ!
我が子が間違ったおしゃれに走らないために・・・
こどもとのコミュニケーションを大切に!
●何に興味がある?
●何がこども達の間で流行っているの?
おしゃれのルールを家庭で決める!
●ピアスは大人になってから!
●学校にメイクはしていかない!
●TPOに合った服装をする!
ママによる「すこやかおしゃれチェック」
★ 髪を結わくときに
□ かぶれてない?
★ ハンドクリームを塗るときに
□ 逆むけしてない?
□ 爪噛んでない?
★ 洗顔後の保湿・UVケアで
□ 塗り残しはない?
□カサカサしてない?
□ プツプツできてない?
★ お風呂あがりの保湿ケアで
□ 皮膚にかぶれや傷はない?
□ シャンプーや洗浄料のすすぎ残しはない?
正しいおしゃれって何? どう教える?
そのためにも基本となるのは「清潔さ」と「すこやかさ」です。
過度の誤ったおしゃれに走る前に、その危険性についてこども達自身がよく学ぶことで、改めて洗浄・保湿の大切さを第一に伝えていきましょう。そして、家庭、学校、地域で声を掛け合い、皆でこども達の健康を守っていきましょう。
テレビアイドルのマネをしなくても十分美しいことを教え、そのままのこども達をどうかやさしく抱きしめてあげてください。我が子が間違ったおしゃれに走らないために・・・