産科・婦人科

生理トラブルを放置しない! 生理にともなう4大病

生理トラブルを放置しない! 生理にともなう4大病

今井愛先生生理痛がひどい、出血量が多い、生理不順や不正出血などのトラブルは、放置しないで、今すぐ対処して!「内診が恥ずかしい」という理由があっても、命に関わる大きな病気が潜んでいることも。

また、不妊の原因にもなりかねません!生理は女性にとって長く付き合っていくもの。頼りになるパートナードクターを見つけるチャンスと考えて、ぜひ受診しましょう。

生理にまつわる病気について、麻布十番まなみウィメンズクリニック 院長の今井愛先生にお聞きしました。

PMS

別名「月経前症候群」

頭痛・肩こり・下腹部痛・肌荒れ・体重増加・乳房の張り・イライラ・憂うつ・集中力の低下など、生理の始まる約1週間前から、身体的・精神的に様々な症状が起こります。月経がはじまると症状がおさまるのが特徴。

放置しておくと、人間関係や社会生活が困難に!

PMSに加えて生理痛もある場合、ひと月の半分以上をつらさと格闘することに!また、人によっては暴言や暴力、うつの傾向が強く現れることもあり、これらがひどくなれば人間関係や社会生活に支障がおよぶこともあります。

生理不順

ホルモンのバランスに原因

周期が24日以内だったり(頻発月経)、39日以上空いたり(稀発月経)すること。月経期間も3~7日間から外れていると要注意。このような症状は排卵がおきていなかったり、ホルモン分泌が上手くいっていない可能性があります。

放置しておくと、不妊の原因になってしまうことも!

「頻発月経」や「過短月経」は無排卵へと、生理が3ヶ月以上空けば「続発性無月経」に。いずれの場合も不妊の原因になってしまいます。生理周期は生活リズムに影響されやすいので、規則正しい生活も大切です。

過多月経

昼間でも夜用ナプキン?

生理の出血量がとても多く、日常生活に支障をきたすような場合は過多月経といって治療の対象になります。昼間でも夜用ナプキンが必要、生理のたびに貧血で階段を昇るのがつらいなどの症状がある方は過多月経の可能性があります。

子宮筋腫などが隠れていることも!

過多月経には様々な原因がありますが、子宮筋腫などの婦人科疾患が隠れている可能性もあります。貧血の症状や生理の出血が多いときには、早めの婦人科受診で原因を確認し、治療しておくことが大切です。

子宮内膜症

子宮内膜症とは

子宮の内膜と似た組織が、卵巣や腹腔内など子宮以外にできること。これらの組織が生理周期とともに増殖や出血をくり返すのですが、出口がないために体内にとどまり、炎症をおこして、痛みなどの症状をおこします。

悪化しないうちに受診をすすめます!

生理痛がひどくなることも。また生理以外の時期でも性交痛や排便痛をおこすことも。悪化すると不妊症の原因にもなりますし、子宮や卵巣の摘出手術に及ぶことも。女性なら誰でもかかる可能性のある病気です。

放置していませんか? あなたの生理は大丈夫?

自分の生理をチェックしよう

痛みのこと!!
  • 生理痛がひどく、学校や会社を休む等、日常生活に支障がある
  • 生理のとき鎮痛薬がいつも必要になる
  • 市販の鎮痛薬が効かないくらい痛い
  • 生理痛の痛みがだんだん増してきている
  • 生理痛で起き上がれないことがある
  • 生理のとき意外にも、下腹部や腰に痛みを感じる
  • 生理期間に頭痛や吐き気がある
  • 排便のときやセックスのときに痛みがある
生理のこと!!
  • 生理の出血量が多いと感じる
  • 出血のとき血のかたまりが出る
  • 生理の期間が長い
  • 生理ではないときに出血がある
ひとつでもあてはまったら注意して! まずは、婦人科へ行きましょう!

意外と知らない婦人科受診の心得

Q:受診前に気をつけなければならないことは?

A:受診前のビデは控えて。膣を洗浄してしまうと分泌物の状態がわからなくなります。受診時の服装はスカートで!パンツスタイルでは手間取るし、診察台に乗るときに不便です。ストッキングやタイツも同様ですね。

Q:どのくらいのペースで通えばいい?

A:特に症状がないときの定期検診は1年に1回で大丈夫。でも不正出血や生理痛がひどくなったなど変化が現れたときは、すぐに受診を!卵巣の疾患は初期症状が出ないことも多いので定期検診で必ずチェックして!

Q:保険適用と自費はどこで区別されるの?

A:何か症状がある場合は、健保で受診できます。全額負担での受診には子宮がん検診や性感染症検査などのブライダルチェックや妊婦健診などがあります。妊婦健診は自治体のサポートがあるので確認しましょう。

Q:特別な病気じゃなくても受診できる?

A:20才を過ぎたら、特別な症状がなくても定期的に診てもらいましょう。病気の早期発見や体調管理に役立ちます。女性のからだは常に変化していくもの。ホルモンバランスの確認もしてみましょう。

生理トラブルを放置していると
大きな病気が潜んでいることもあります!

ママとなっても、婦人科はなかなか受診しにくいという方も多くいらっしゃると思います。それだけにパートナードクターを見つけることが、大切ですね。

なにか異変がおこって慌てないためにも、ぜひ準備をする意味でも、受診していただけたらと思います。ぜひ心配なことは気軽にわたしたち婦人科医に相談してください!

30才を過ぎたら、そろそろ頼りになるパートナードクターを見つけましょう!

自分にピッタリのパートナードクターをみつけるために!

生理のトラブルに限らず、女性の身体と心についてどんなことでも相談に乗ってもらえるのが婦人科です!

女性であれば「生涯のパートナー」ともいうべき婦人科ドクターを、必ず一人はみつけて欲しいもの。ぜひ自分にピッタリのパートナードクターをみつけてみてください!

過去にゲンキのモト誌面でご紹介してきたクリニックを検索できるサイト「ゲンキのモトのお医者さん」もぜひご活用ください!

「この先生!」と思える出会いがきっとあるはず!