スヌ-ズレンとは
「スヌーズレン」
初めてこの単語を聞いた、という方がほとんどなのではないでしょうか?
スヌ-ズレンとは、1970年代半ばに、オランダの重度知的障害者が生活する施設で始まりました。当時、言葉を話すことも、表情から感情を汲みとることも難しい重度知的障害の子ども達や大人達に、感覚刺激空間を利用して余暇やリラクゼ-ション活動を提供しました。この空間をスヌ-ズレンル-ムといいます。
スヌーズレンルームで五感を刺激
具体的には、子ども達の五感を刺激する様々な物や装置を置いた部屋(スヌーズレンルーム)を作り、自由に楽しんでもらうことで、自ら発見し、学び、リラックスし、刺激を得ることができます。
物の一例を挙げるとするなら、柔らかいクッションや弾力のあるマットレス、キラキラ光るモビール、押すと音の出る人形、全身を使うボールプールやトランポリン、香りのある物、床に砂を敷き詰めるといったことなど、決して特別な物ばかりではありません。
オランダやスウェーデンでは、こういった部屋が、病院や学校、リハビリセンター、グループホームや高齢者住宅などに設置され、障害のある子どもだけでなく、高齢の方や健康な方でも利用できるといいます。
代表的なスヌーズレンルームには、
- ホワイトルーム
- アクティビティルーム
- ブラックルーム
の三つがあります。
前置きが長くなりましたが、今回取材させていただいた三笠産業さんは、その中でもブラックルームで使われる蛍光トナーを開発されている企業さん。自社にショールームがあるということで、特別に体験させていただくことになりました♪
「ブラックルーム」を体験!
「ブラックルーム」という名のとおり、ショールームの中は黒いカーテンで窓からの光が遮られ、蛍光灯を消すと真っ暗闇に。そして、ブラックライトの電源を入れると!?
驚いたことに、部屋のいたるところに飾られた絵画や小物がぼんやりと輝きはじめました!!その様子は「幻想的」の一言。
そして! そして! さらに驚きなのが、こちらの紙製のメガネです!!
このメガネを掛けて部屋の中を見渡すと・・・
なんと、絵が立体的に飛び出して見えるではありませんか!! まるで360°ぐるりと3D映画に囲まれている感覚!
暗闇の中で、ほの明るく光を放つ絵画を見ていると、なぜか落ち着き、思わず無言でじっと魅入ってしまいました。
じつはこのブラックルーム、視覚刺激で脳が活性化し、落ち着きやリラックス効果を促すといわれています。
浮かび上がる蛍光トナー
三笠産業さんの蛍光トナー印刷は、絵画ポスターだけでなく、光る紙芝居やTシャツへのプリントなどにも対応しており、デザインの持ち込みも可能とのこと。また、光るクレヨンや粘土といった、子どもが喜びそうなアイテムも取り扱っています。
老人ホームで光る紙芝居を披露したところ、いつも落ち着きのなかった認知症の方がじっと紙芝居に魅入っていた、というエピソードや、集中が苦手な発達障害の子にブラックルームの中で光るひらがなカードを渡したところ、夢中になってカードの字を読みはじめてくれた、といったエピソードもあるそうです!
ちょっとした工夫で、できなかったことができるようになり自信や自己肯定感に繋げていける、今までにないとても面白いツールだと感じました♪
スヌーズレン、ブラックルーム、浮かび上がる蛍光トナーと、ご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今後は日本でも、海外のようにいろいろな施設にスヌーズレンが広がり、障害のある子でもない子でも自由に活用できる環境が整っていくことを期待しています♪
■取材協力:三笠産業株式会社
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