作る離乳食より買う離乳食のほうが楽で簡単です!
手間が減るのはもちろん、手作りでは補うのが難しい栄養素を豊富に取れるのも魅力。
買う離乳食は栄養が取りやすいのはわかったけれど、「どんな栄養素に気をつければいいの?」と気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、「離乳食は作らなくてもいいんです」著者の工藤紀子先生に、離乳食で大切な栄養素についてお聞きしました!
- 特に不足しがちな栄養素
- 成長・発達のカギとなる栄養素
- 発育・免疫の維持となる栄養素
以上についてわかりやすく教えていただきます。
母乳では不足しがちな栄養素は5つ
特に注意して取りたい栄養素は次の5つです。
WHO(世界保健機関)などで報告されているものと、近年問題になっているもの。
すべて子どもの健全な成長に必要な栄養素です。
・エネルギー
・鉄
・亜鉛
・ビタミンA
・ビタミンD
エネルギーの主な供給源は糖質と脂質で、体にとってのガソリンのようなもの。量が足りなければガス欠になり、質が悪ければ効率よく動けない
- エネルギーが多く含まれるおすすめ食材
米・うどん・パン・オリーブオイル
血液中で酸素を運ぶヘモグロビン。このヘモグロビンを作っているのが鉄。鉄が不足すると酸素を運べなくなり、貧血の症状が出る。
- 鉄が多く含まれるおすすめ食材
赤身の肉・レバー・マグロ・カツオ・小松菜・エゴマ・豆腐
体を作るタンパク質の吸収を助けたり、免疫機能を維持する。不足すると免疫力が低下、身長が伸びない、味覚障害といった症状が出る。
- 亜鉛が多く含まれるおすすめ食材
牛肉・豚肉・レバー・卵黄・シラス・サバ・イワシ・大豆・ごま
目の健康に欠かせないのがビタミンA。不足すると、ドライアイやまぶしがるなど、目に関する症状が出る。骨や皮膚の発達にも関わっているので、風邪を引きやすくなることも。
- ビタミンAが多く含まれる食材
卵黄・レバー・黄色い野菜果物(マンゴー・パパイヤ・ニンジン・カボチャ・サツマイモ)
ビタミンDは、骨を作るのに大切な「カルシウム」を取り込む栄養素。ビタミンD不足すると骨が作れなくなる。食材から摂取することに加え、日光浴をして紫外線に当たることも必要。
- ビタミンDが多く含まれる食材
卵黄・シラス・サケ
それぞれもっと詳しく解説します。
成長・発達のカギとなる栄養素・鉄
鉄不足で起こる貧血、体が小さい・言葉が遅いなどの症状が出ることがあり、鉄の不足した状態が続いたまま成長すると、学習能力の低下や運動能力が伸びが悪くなる場合が!
そもそも赤ちゃんは、ママのお腹の中で十分な鉄を蓄えてから生まれますが、6ヵ月ごろには蓄えていた鉄を使い切ってしまいます。
母乳とミルクにも鉄は含まれますが、それでは足りないので離乳食で補う必要があるんです。
赤身の肉・レバー・マグロ・カツオ・小松菜・エゴマ・豆腐
鉄が多く含まれている食材は、手作りの離乳食に利用するのに難しいものが多く、ボソボソして食感の工夫も大変なのが難点。
そこで食べやすく作られている、買う離乳食を使うことをおすすめします。
しかし日本の市販の離乳食では、鉄が含まれるものが生後9ヵ月〜となっているものがほとんど。
生後6ヵ月で鉄を使い切っていることを考えると、鉄を意識するのが9ヵ月では遅いんです。
離乳食初期から鉄を摂るためにおすすめしているのが、海外の離乳食を利用すること!
日本では最初にあげる離乳食の「おかゆ」は、海外では「rice cereal(シリアル)」と表記されています。
特に上記のライスシリアルは、アメリカなどで食べられている代表的なもの。鉄だけでなくDHCなども含まれているんです!
鉄を切らさないために、日本の離乳食と併用して使ってみてください。
発達・免疫の維持となる栄養素・亜鉛
亜鉛の不足は鉄と同様、欠乏した時期が長いほど、学童期の成長に大きく影響します。
- 免疫機能を維持する
- 皮膚や髪の毛を元気にする
- 味覚を育てる
亜鉛は大人でも不足している人が多く、ママが亜鉛不足だと母乳からの摂取が難しい栄養素です。離乳食でしっかり亜鉛を取りましょう。
牛肉・豚肉・レバー・卵黄・シラス・サバ・イワシ・大豆・ごま
亜鉛が多く含まれる食材で代表的なのが「牡蠣(カキ)」ですが、離乳食向けではありません。
効率よく亜鉛を摂取するためにおすすめなのが、ライスシリアルです。
1回の量で、亜鉛の1日に必要な量の20%が摂れるのでおすすめです。
大人でも不足しがちな亜鉛、子どもの亜鉛だけでなく、家族で亜鉛を意識した食事を心がけるとよいでしょう。
まとめ・買う離乳食で不足しがちな栄養素を摂取しよう!
必要な栄養素をお伝えしてきましたが、これらを効率よく子どもに食べさせるために食材を買って、さらにメニューを考えるのは本当に大変です。
買う離乳食なら、栄養素の記載を確認するだけでOK。
離乳食を購入するときは、この記事で紹介した、エネルギー・鉄・亜鉛・ビタミンA・ビタミンDが含まれるかチェックしましょう。
気にすることは、「肉」「魚」「卵」「豆製品」「乳製品」をまんべんなく購入するということ!
1日で摂取しようと考える必要はなく、だいたい3日くらいでバランスが取れるようにすれば大丈夫です。
バランスよく作られた市販の離乳食なら、子どもの栄養素を無理なくとることができますよ。
\工藤紀子先生の著書はこちら/